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FROZEN or FRESH ?

FROZEN or FRESH?(凍結か新鮮か?)

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(Disney FROZENより)

体外受精における胚凍結技術は必要不可欠な技術として広く普及しております。当院の体外受精は、一部の卵巣刺激法を除いて胚盤胞培養後の全胚凍結(胚盤胞まで育ったものだけを選択して全ての胚を一旦凍結保存する)を基本としており、全胚凍結+翌月以降の凍結融解胚移植を一つのスタンダードプロトコールとしています。以下に挙げるいつくかの理由から凍結胚移植の優位性について検討してみました。

凍結胚移植のメリット

1、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の予防

大量の排卵誘発剤を使用する周期では同一周期での新鮮胚移植を行った場合、特に妊娠成立した場合に重症OHSSを発症する可能性が高まる。

2、Implantation Window(着床の窓)と胚の発育を一致させられる。

子宮内膜はエストロゲン、プロゲステロンの影響で胚を受け入れやすい状態に調整されますが、その時期は排卵後5〜7日目に限定されています。この胚を受け入れやすい時期(妊娠可能時期)をImplantation Window(着床の窓)と呼びます。妊娠するためには、このインプランテーションウィンドウ期にHatchingした胚がなくてはならず、胚の発育がずれた場合は一旦胚を凍結することで子宮内膜とのずれを修正して移植を行うことで着床しやすい状態になります。

(インプランテーションウィンドウについては以下当院のホームページをご参照下さい↓↓)

https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/treatment/fertilization/ourway/

3、自然妊娠により近い、最適な子宮内環境を再現できる。

排卵誘発周期では特に大量の排卵誘発剤を使用した場合に、高エストロゲン環境等胚の着床にとっては適した状態とは言えないホルモン環境となることから、そのような状態での胚移植を避ける目的でも胚の凍結保存を行う、周期を変えて移植を行うことが勧められます。

など。

凍結胚移植のデメリット

1、コストがかかる(凍結費用、移植周期にかかる費用などが余分にかかります)
2、1周期分余計に時間がかかる(採卵周期と別周期で移植を行うため余分に時間がかかります)
3、癒着胎盤など産科的リスクが増えるという懸念がある。

など。

以下は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)患者における凍結胚移植の優位性についての記事です↓↓

http://pennstatehealthnews.org/2016/08/frozen-embryos-effective-fresh-women-polycystic-ovary-syndrome/

凍結胚移植では、妊娠後の妊娠高血圧腎症の上昇や新生児死亡が多いという記載もありますが、いずれも新鮮胚移植と比べて有意差のあるものではなかったとしています。

凍結胚移植は新鮮胚移植と比べて凍結融解操作(より人工的な操作)が加わることに関する是非はありますが、治療成績の点からは明らかに優位性は高いようには思われます。

生殖医療の世界では、Not let it go(ありのまま じゃない)の方がよい場合があります。

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