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清涼飲料水と不妊症

妊娠したい人は清涼飲料を飲む習慣をやめるべき

この1週間の間に、どのくらいの清涼飲料を飲んだか覚えていますか?本日の話題は清涼飲料が不妊症の原因になるという内容です。出典は2017年12月のFertility &Sterilityです。イスラエルのグループが発表しています。↓↓

Association between preconception maternal beverage intake and in vitro fertilization outcomes

清涼飲料を常用するグループとほとんど飲まないグループ間で体外受精の治療成績を比較しています。結果、採卵数(獲得卵子数)、成熟卵子数(MⅡ卵子数)、良好胚数において差が出たとしています。また、出産率(live birth)においても、清涼飲料を1日10杯以上飲む群では飲まない群に比べて明らかに低い数値であったとしています。

清涼飲料の摂取と妊孕性の低下については以下のEpidemiologyの2018年1月の論文でも同様の記載が見られます。(1週間で7杯以上(つまり1日1杯)の炭酸飲料を飲む人は妊孕性の低下が見られる)↓↓

Intake of Sugar-sweetened Beverages and Fecundability in a North American Preconception Cohort

清涼飲料に使われている共通する甘み成分はフルクトース(果糖)を含む異性化糖=果糖ブドウ糖液糖です。

フルクトース(果糖)はグルコース(ブドウ糖)の異性体(異性体とは同一個数、同一種類の原子から出来ているが構造が異なるもの)です。その名の通り、果物に多く含まれ、市販されている清涼飲料や飲食物の甘み成分の多くに、異性化糖と呼ばれるとうもろこしデンプンを原料として工業的に作られる、フルクトースの割合を増やした糖が多用されています。原材料名の中に果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖などと表示されているものがそれです。フルクトースはブドウ糖より甘みが強く、特に低温下で甘みを増す性質があり、冷やして飲む清涼飲料には最適の甘み成分です。(ぬるいコーラより冷えたコーラの方が甘く感じて美味しい理由です)ガムシロップの主成分は果糖ブドウ糖液糖ですが、なぜアイスコーヒーと組み合わせるか?冷やして飲むアイスコーヒーの甘さを増す上でフルクトースは打って付けなのです。果物を冷やして食べると美味しいというのも一つの理由はフルクトースの甘みが増すためとも言われています。フルクトースは血糖を上昇させる作用がブドウ糖より低く、インスリン分泌がブドウ糖より低く抑えられるため糖尿病になりにくい糖などと一時もてはやされましたが、実際は過剰なフルクトースが肝臓で中性脂肪に変換されて蓄積すると言われており、脂肪肝、肥満の原因になります。甘いものは別腹とよく言いますが、甘味は麻薬と同じで、脳を麻痺させ満腹感を得にくくします。その結果エネルギーとして消費される以上のものを取りすぎてしまい、結果として脂肪として蓄えられるので太る原因になります。(フルクトースが特に肥満の原因になるのは有名な話です)

フルクトースの毒性(細胞の老化)

フルクトースは細胞の老化に関係します。細胞を老化させる原因はタンパク質の糖化反応(メイラード反応)であり、フルクトースはグルコースの数倍も糖化反応(glycation)を起こすと言われています。糖化反応とは体内のタンパク質が糖と結合して変性する反応で、その結果出来るAGEs(終末糖化産物)の蓄積が細胞や組織を変性させいわゆる老化の原因になるとされています。コラーゲンの糖化が皮膚のハリの低下、シワの原因となり、骨のコラーゲンが糖化すると骨粗鬆症になります。白内障は目の水晶体のタンパク質の糖化によって引き起こされ、動脈硬化は血管壁にAGEsが蓄積した結果です。また、アルツハイマー病は脳へのAGEsの蓄積が原因とされています。ガンはAGEsの蓄積による細胞の変性、DNAの変異が原因ともされています。多くの慢性疾患が全身を構成するタンパク質の糖化=AGEsの蓄積=細胞の老化=組織の劣化が関係しているとも言われています。先進諸国の中にはフルクトースの毒性に注目し、規制に向けた動きをとる国もあります。

不妊症と全身疾患は無関係ではない

フルクトースの毒性(細胞の老化に関係する)に注目すると全身疾患(体を作る細胞、組織の劣化)と不妊症は決して無関係ではないということが分かります。(生殖細胞の老化や劣化がすなわち不妊症です)。そのように考えると不妊症=全身疾患の1症状という捉え方もできます。。全身疾患を予防するような健康的な食生活(この場合はフルクトースを避ける食生活)はすなわち不妊予防になるということです。これから妊娠したい人は異性化糖を大量に含む炭酸飲料、フルーツジュース、スポーツドリンク、缶コーヒーはやめた方が良いと思います。

AGEsと不妊症の関係については以下の関連ブログも参照ください。↓↓

これからの新しい不妊症対策

 

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