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排卵日以外のSEXが妊娠の可能性を高める

厳格すぎるタイミング指導はかえって妊娠を遠ざける!?

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妊活を始めるとまず最初に取り組むのがいわゆる”タイミング法”です。月1回の排卵日に合わせてSEXをして頂くのですが、あまり厳格すぎるタイミング指導は逆にかえって妊娠の可能性を遠ざけるのではないか?と(私は)考えています。排卵日はこの日ですので、この日にタイミングを合わせて下さいという日に、夫婦のどちらかが夜勤でタイミングが合わない(特に医療従事者など夜勤業務を伴う共働き夫婦の場合に多い印象)、夫が緊張してタイミングが合わせられなかった、仕事で疲れてSEXどころではなかった・・・などなど、月一回の”貴重な”排卵日に何らかの理由でSEXができない夫婦は実は結構たくさんおられます。そこで当院では、排卵日にドンピシャリではなくても一向に構わないので排卵日を挟んで前後5日間ぐらいの間でなるべくたくさんSEXをするようにとお伝えしています。(排卵日を挟んで前後5日間SEXをすると最大で1ヶ月に11回SEXをする計算になります)もちろん、この回数は絶対にという意味ではなく、可能な限り多く・・・という意味です。

話は変わりますが(実は後で話がつながります)、免疫系を司るヘルパーT細胞にはTh1、Th2の2種類があり、互いにバランスを取り合いながら(お互いを監視しながら)最適な免疫状態を維持していると言われています。Th1は主に細菌やウイルスなどの外的異物に対する免疫反応を起こし、Th2はアレルギーなどの免疫反応に関係していることが知られています。通常妊娠前はTh1優位な状態で、細菌等の外的異物に抵抗力を発揮しています。しかし妊娠するとTh2が優位になり、胎児を守るような免疫状態に変化します。一方、妊娠中にTh1が優位になりすぎると自己の免疫系が胎児を異物とみなして攻撃し、流産を起こすような免疫反応が働くことが分かっています。

さて、パートナーと活発な性行為のある女性では、免疫を司るヘルパーT細胞のうち、Th2優位な免疫反応を引き起こすことが知られており、このことが妊娠に対して有利に働く免疫状態を作り出す可能性が示唆されています。これまでの研究でも、排卵日にタイミングをあわせようとするよりも、SEXそのものの回数を増やすほうが妊娠率が高くなると報告されています。その背景にはこのような免疫システムの働きが関与している可能性が考えられています。

(SEXの回数が多いほど妊娠の可能性が高まるとする記事↓↓)

http://wotopi.jp/archives/28058

http://www.hindustantimes.com/sex-and-relationships/more-sex-even-on-non-fertile-days-ups-pregnancy-chances/story-8ORtGnqy2crfADg6JiD8oL.html

SEXは人から指示されてするものか?

回数やタイミングを指示されて機械的に行うSEXではなく、カップル同士が多く愛し合う結果として自然の成り行きでSEXをし、それが結果として妊娠に繋がる・・・これが本来のあるべき姿ではないかと思います。なので私は、”タイミング指導”という言葉にもいささか抵抗を感じます。SEXは、誰かに指示されて(指導されて)機械的に行うものではなく、愛し合うカップルが自然の成り行きで行うもの(であろう)と考えるからです(私見ですが。。)

タイミング指導=不妊治療という誤解

不妊治療を希望される患者様は実際に大変多いのですが、タイミング指導=不妊治療と考えておられる(誤解されておられる)方は結構多いように思います。本来、排卵が順調(排卵障害がない)で、精子に問題がなく(男性因子がない)、卵管に問題がなく(卵管因子がない)、ピックアップ異常がない(卵子が卵管にしっかり取り込まれる)、年齢が若い(卵子の質がよい)、その他身体的な異常がない(甲状腺、糖尿病、貧血など)カップルでは、ある程度適当にSEXをしていればどこかのタイミングで妊娠をするはずです。不妊治療を受ける前にSEXの回数をまず確認してみましょう。そもそも自分たちはSEXをそれなりにしているのか?それなりにSEXをしていても妊娠しない方は、上記のうちのどこかに妊娠できない理由があるはずです。不妊治療とは妊娠しない理由を的確に判断しそれに対する答えを見つけることであり、単に排卵日を予測してSEXをさせることではないということです。多くの方がこの点を誤解しているように思います。

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