体外受精=卵子と精子の「お見合い」をプロデュース|クリニックブログ
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2016.04.22
体外受精
体外受精=卵子と精子の「お見合い」をプロデュース
体外受精という治療は、卵子と精子を出会わせる
いわば「お見合い」のようなものと考えることができます。

妊娠して赤ちゃんが出来るためには母親由来の卵子と父親由来の精子の出会い(これを受精といいます)が必ず必要になります。不妊症でない方の場合、排卵日付近で普通にSEXをすれば、質の良い卵子と元気な精子は自然に出会い受精します。
不妊症の方の場合、この卵子と精子の出会いが何らかの理由でうまくいかない状態になっているわけです。
そこで両者を引き合わせるいわゆる”お見合い”が必要になってきます。
そして、”お見合い”がうまく行けばめでたく結ばれるわけですが、この”お見合い”がうまく行かないケースもよくあります。
卵子や精子のそれぞれの質の問題でお見合いをさせてもなかなか受け入れがうまく行かずに結ばれないといった具合です。
体外受精と顕微授精の根本的な違いは”お見合いのさせ方”にあります。
体外受精
体外受精は1つの卵子に多数の精子をふり掛けて、その中からたった1匹だけ生存競争を勝ち抜いた強い精子が卵子と結ばれます。
いわばたくさんいるお婿さん候補の中から一番魅力的な方が選ばれるといった感じです。この過程で自然淘汰が働くので、受精能力の弱い精子は卵子と結ばれることが出来ません。より自然の妊娠に近い方法と言えます。
↓↓媒精中(お見合い中)の卵子と精子の様子↓↓
顕微授精
一方顕微授精は1つの卵子に人の手(実際は胚培養士)によって選ばれた1匹の精子を注入します。
お見合いという考え方をすれば強制的につれてきた男性と強引に引き合わせる(言葉は悪いですが)ということになります。
しかし自然に待っても待ってもなかなか出会いのチャンスがない(お見合いの候補となる精子が少なくて卵子とお見合いできるチャンスがない)場合は、それでもお見合いを成功させたいと考えるなら強引ではありますが、こういう方法を取らざるを得ない場合もあります。
我々生殖医療従事者は患者様の卵子と精子の出会いが最高の環境で達成され、結果として妊娠という目標がなるべく早く達成できるよう常に技術を磨き研鑽に努めています。
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