会うのがいちばん(なるべくストレスなく)|クリニックブログ
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2018.04.26
体外受精
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設備・技術
会うのがいちばん(なるべくストレスなく)
卵子と精子の出会いはなるべくストレスなく
Piezo ICSIに関する話題
精子数や運動率が不良の男性因子の際に、通常の方法(一般体外受精)で卵子と精子が出会えない方(受精が成立しにくい方)に対して顕微授精(ICSI)が行われます。従来法のICSI(conventional ICSI)では先端が尖ったピペットで卵子の細胞膜を刺し、吸引圧をかけながら穴を開けて精子を卵子に注入する操作を行います。(この一連の作業は卵にとっては非常にストレスのかかる操作です)この際、細胞膜が脆弱な卵子や加齢卵子では透明帯や細胞質の変形、卵子の変性や受精率低下につながる可能性があるとされていました。(細胞膜を破る際に吸引をかけるため、従来のICSIでは多くのケースで細胞膜の伸展を伴います)。一方、ピエゾICSIとは先端が平坦なピペットを圧電素子によって振動させ、微細な振動(パルス)によって卵子の細胞膜に穴を開ける方法で行います。卵子の細胞膜を破る際に吸引圧をかけないため、従来法のICSI(conventional ICSI)に比べて卵子に対する負担が少なく、受精率の向上やその後の胚盤胞到達率の向上が期待できると言われています。
2014年のASRM(米国生殖医学会総会)では、日本のグループから、Piezo-ICSIの従来法のICSIに対する優位性に関する発表などもされています。↓↓
ピエゾICSIと通常ICSIの違いについて、当院ホームページにも分かりやすい動画を掲載していますのでご参照下さい(当院での体外受精の方法について の下の方、当院の顕微授精の特徴の部分です)↓↓
男女の出会いはどちらかと言うとドラマチックな場合が多いようにも思いますが、卵子と精子の出会いはなるべく静かに、出来れば卵(女性)に対してなるべくストレスにならないようなおとなしい?出会いの方が望ましいかもしれません。
会うのがいちばん でも出来ればストレスなく・・・
昨今の男性不妊症患者様の増加に伴いICSIを必要とする症例が非常に増えておりましたが、それに対応するためにこの度当院では、全てのICSI用倒立顕微鏡をPiezo対応としました。(台数を増やしました)全ての卵によりストレスの少ない出会いの場(受精)を提供して参りたい所存です。
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