糖質制限で妊娠しやすい体づくりを|クリニックブログ

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2017.05.31

不妊症

治療

糖質制限で妊娠しやすい体づくりを

糖質制限が不妊症患者に勧められる理由

糖化は細胞の老化、変性を引き起こす

卵子のもとになる卵母細胞は胎児期に作られて以降、二度と新しいものが作られないと言われており、20歳女性の卵子は20年物、40歳女性の卵子は40年物、その持ち主と同じだけ歳を重ねているとされており、これがいわゆる卵子が老化すると言われる所以とされる。ところが最近、この卵子の老化具合に個人差があることがわかって来た。20代でも卵子の質が悪くて体外受精の反復不成功になってしまう人もいれば、40歳でも比較的卵子の質が良くて自然妊娠できてしまう人もいる。卵子の老化具合に差を生じさせる手がかりの一つが糖化と呼ばれる現象である。体内で血糖値が高い状態が続くと体を構成するタンパク質が糖と結合してタンパク質の変性(劣化)を起こすとされる。これは体にとってはいわゆる”さび”のようなもので、これが動脈硬化、アルツハイマー病、白内障、骨粗鬆症などのあらゆる慢性疾患の原因の一つになると言われている。糖化によって生じるこのさびのようなものをAGEs(終末糖化産物)と呼び、細胞の変性や老化の原因となる有害な物質である。

AGEs(終末糖化産物)と不妊症

生殖医療の世界では、糖化が卵巣や子宮の血流低下、卵子の変性や老化の原因となり、すなわち加齢に伴う不妊症の原因の一つと考えられるようになってきた。また、一般的にPCOS患者(PCOSは一般的にインスリン抵抗性が高く、糖尿病との関連が指摘されている)では、非PCOSと比べて、卵巣組織等へ沈着したAGEsが多いとされ、PCOS患者の卵子の質が悪いことが多い理由の一つとも考えられている。卵子は他の体細胞のように常に細胞分裂によって更新されることがなく、だれでも年とともに劣化の一途を辿り、これ自体は防ぎようがない現実ではあるが、しかし糖化があるとないとでは劣化のスピードに差が有ると考えられる。これがすなわち20代で妊娠できない人と40歳でも妊娠する人の差の一因ではないだろうか?。

糖化(卵子の老化の原因)を抑える食生活=糖質制限の推奨

糖化を抑えるための最たるものは普段の食生活であり、血糖を上げ過ぎない食生活(=糖質制限)が重要。抗糖化を意識した栄養療法、生活習慣の改善は今後の生殖医療の分野でメジャーになってくるだろうと思われる。つまり、加齢に伴う卵子の老化、劣化が不妊症の最たる原因であるならば、この老化、劣化を少しでも遅らせることができれば、これまで以上に妊娠できる患者さんが増えるわけだ。普段の食事を変えるだけで、卵子の老化を遅らせることができるのだ。やらない手はないと思いませんか?

不妊症患者様に是非オススメしたい、古賀文敏先生の著書  ”妊娠体質に変わる栄養セラピー” を当院待合室の書架に設置いたしました。不妊症患者様に糖質制限が勧められる理由がさらに分かりやすく書かれており、また普段どのようなものを食べたらいいか?も分かりやすく記載されています。ご来院の際にぜひお読みいただきたいと存じます。

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また、AGEsについては、以下の当院関連ブログも是非ご参照下さい。

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