理想の禁欲期間とは?|クリニックブログ
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2017.09.05
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理想の禁欲期間とは?
週に何回SEXしてますか?
日本人は先進諸国の中でもっともSEXの回数が少ないと言われています(日本人=年間45回。つまり1週間に1回もしていない計算)。一方SEXの回数がもっとも多いのはギリシャ人と言われています(ギリシャ人=年間138回。つまり、2、3日に1回はしている計算)。これだけが要因とは言えませんが、日本が不妊大国と言われる所以の一つかもしれません。(そもそもSEXの回数が先進諸国の中で圧倒的に少ない)
精子は貯めた方がよい??
結論から述べると、上記は間違いです。
精子は毎日作られます。なので、貯めれば一見数は増えます。しかし、古い精子は徐々に状態が悪くなって死んでしまいます。精子を長期間貯めると、古い精子から産生される活性酸素によって精子や精子を作る細胞がダメージを受け、結果として精子を作る力が低下していきます。一方、精液は精嚢と前立腺で毎日作られています。なので貯めれば貯めるほど精液量は増えていきますが、精子の状態とは無関係です。WHOのガイドラインでは精液検査に際しての禁欲期間を2~7日にすると記載されていますが、これは妊娠するための基準ではありません。妊娠を目標とするなら、1〜2日程度の禁欲で十分であり、かつこれが理想と言われています。1、2日程度の禁欲の場合、当然精子数や精液量はそれ以上の禁欲期間の場合より少なくなりますが、精子は毎日作られることを考えると、常に新しい新鮮で生きがいい精子が出てくることになります。
排卵日を挟む前後2、3日の間のタイミングを
タイミング法の患者様で未だに多い(誤解されている)のが、排卵日にどれだけ正確にSEXできるか?に拘っているいる点です。実は、排卵日である必要はありません。排卵日に1回のSEXより、排卵日を仮に外しても、排卵日数日前から1、2日おきにSEXしている方が妊娠率は明らかに高いです。よく言われるのは排卵日の少し前が最も妊娠の可能性が高いと言われています。排卵日の少し前をあえて難しく考えて狙うよりは排卵日付近で数回あまり何も考えずにやった方がうまくいきます。(現実に、過去数回のヒューナー検査で不良と判断された患者様でも、排卵日前後数回のタイミングを行ったところ、結果が劇的に改善した方もいます。)だいたいにおいて、狙ってやるとうまくいきません。この辺ぐらいかな?という時期にアバウトな方が気持ちもリラックスできると思います。
AIH周期、IVF周期でのSEXが治療効果を高める可能性
AIH、IVFにステップアップすると、そもそもSEXをする機会がほとんどなくなる方がいます。してはいけないということはなくて、むしろ精子を貯めすぎない観点からすると、AIH、IVF周期でもSEXをした方がよいと言えます。(当院では体外受精周期の場合、多胎妊娠や予期せぬ妊娠を避ける観点から一応は避妊を勧めてはいます。コンドームを使ったせSEXは一向に構いません)。射精さえしていればマスターベーションでもよいのか?という考え方もありますが、せっかくなら夫婦関係を円滑に保つ意味でも、SEXをしていただいてもよいと思います。
結論
・理想の禁欲期間は1〜2日。
(禁欲期間は短く、少数精鋭で勝負した方が妊娠率は上がる。)
・精子は貯めるな
(精子は毎日作られる。古い精子をいつまでも貯めこむ必要はない)
・排卵日は敢えて狙わず、排卵日前後の回数を意識するべき。
(数打てば当たる場合がある)
・AIH周期、ART周期のSEX、マスターベーションは治療効果を高める可能性
(ステップアップすると妊娠の基本である普通のSEXがなくなる夫婦が多い・・・)
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