理想的な次子の治療開始時期に関する話題|クリニックブログ

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2018.07.22

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理想的な次子の治療開始時期に関する話題

出産後の不妊治療はいつから始めるのがベストか?

出産後、次子を計画する際にいつから治療を開始すれば良いのか?と悩まれる患者様も多いのではないでしょうか?実際に当院にも”第2子の治療を開始したいが、いつ伺えば良いか?”というような問合せをいただく機会が多くなってきました。一般的には卒乳が済んでからお越し下さいというような返事をすることが多いと思いますが(授乳中は排卵が不安定で月経周期もバラバラだったりすることも多く、また不妊治療に必要な薬が使えないことも多いからです)、今回の話は、より具体的にいつから治療を開始した方が次子を得られる可能性が高いのか?について言及した話題です。(2018年7月のHuman Reproductionからの出典です)

Decreased clinical pregnancy and live birth rates after short interval from delivery to subsequent assisted reproductive treatment cycle

Human Reproduction, Volume 33, Issue 7, 1 July 2018, Pages 1316–1321,

今回の論文では、産後のART開始時期でもっとも妊娠率、生児獲得率が高いのはいつか?について2004年〜2013年までの間の 61686 ARTサイクルについて検討しています。前児をART妊娠した患者で、同一施設で次子のARTサイクルを開始した方を対象としているようです。

結果

次子の治療再開が産後6ヶ月未満の群では周期あたりの臨床妊娠率が5.6%(40.1 ± 1.9 versus 45.7 ± 0.6%, P = 0.009) 、生児獲得率が6.8% (31.6 ± 1.7 versus 38.4 ± 0.6%, P = 0.001)、産後12ヶ月〜18ヶ月で治療再開した群よりそれぞれ低いことが分かったとしています。また、産後24カ月以降の治療再開群では周期あたりの臨床妊娠率が5.1%(40.6 ± 0.5 versus 45.7 ± 0.6%, P< 0.001)、生児獲得率が5.7% (32.7 ± 0.5 versus 38.4 ± 0.6%, P < 0.001)、産後12ヶ月〜18ヶ月で治療再開した群よりそれぞれ低くなることが分かったとしています。スタディーリミテーション(各種制約)や不妊歴のある患者のデータをそのまま非不妊患者に当てはめることが出来るかどうかという問題はあるものの、特に第2子、第3子のART治療を予定している方では、産後の治療再開時期としては出産後12ヶ月〜18ヶ月ぐらいで始めるのが理想的と言えると考えられます。

第2子、第3子のART治療再開を予定している患者様へ

上記データから分かることは、次子を授かる可能性のより高い治療再開時期として、産後12ヶ月〜18ヶ月を勧めています。第2子以降の家族計画のある方はお子さんの卒乳を計画的に進め、お子さんが1歳〜1歳半ぐらいを目安に治療再開する方がベターと言えます。(もちろん、お子さんの状況やその他家庭の状況などにもよりますのでこの通りの再開は難しいという方もおられるでしょうが) 今後の家族計画の参考になさって頂ければ幸いです。

 

 

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