ブライダルチェック 男が覚悟を決める時|クリニックブログ

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2021.10.17

不妊症

検査

ブライダルチェック 男が覚悟を決める時

久しぶりのブログ投稿です。

ブライダルチェックについて書いてみます。

 

ブライダルチェックとは??

ブライダルチェックとは何か?と一言でいえば、”不妊症におけるスクリーニング検査”という言い方ができるかと思います。スクリーニング検査とは大雑把にふるいにかけるという意味合いで使われます。特に医学におけるスクリーニングとはある集団の中から特定の病気にかかっている人がいないかどうかを大雑把に調べるような場合に使われます。ブライダルチェックの目的はあくまでもスクリーニングです。細かい原因を追究するための検査ではありません。なので、ブライダルチェックで異常がない=妊娠できます・・・ではないのです。これから結婚をしようとする二人がいたとして、当然その先に妊娠・出産ということを考えると思います。妊娠するために必要な条件はいくつもありますが、その中でこれだけは最低限外せないという最低条件というものがあり、その最低条件をスクリーニングするための手段がブライダルチェックという言い方ができます。妊娠にとっての最低条件、それは “卵子と精子がそもそも存在すること”  ”そしてそれらが出会って受精すること” であると思います。(あくまでも個人的な意見ですが)

ブライダルチェックはあくまでもスクリーニング検査なので、いろいろと調べだすとキリがありませんが、卵子と精子が存在することを確認する検査としてはAMHと精液検査 で十分ではないかと思っています。”卵子と精子が出会って受精をしている確認”は体外受精までしないとわからないことなので、ブライダルチェックの域を超えていると言えます。

AMH(いわゆる卵巣年齢検査)

ブライダルチェックではぜひ外さない方がよいと言える検査です。この検査自体はいろいろな目的で行われますが、ブライダルチェックにおける使い方は、”残存卵子数の確認” です。つまり、”自分の卵巣にどれだけの卵子が残っているのか?”、さらに言うと、”自分が妊活できるタイムリミットはあとどのくらいなのか?” 大雑把にわかります。(だからスクリーニング検査です)

AMHが極端に低い=残存卵子が少ない=妊活に残された時間が少ない という言い方になります。(ただし、AMHが高い=卵子がたくさんあるから妊活をのんびりゆっくりやってもよい・・とはならないことには注意が必要です)

時々、知りたくないから調べないという方がいますが、後で知ってショックを受けるより早めに分かって対策を考えた方がよいのではないかと思います。現状を早く知ればそれに対する対策が立てられます。

精液検査

個人的にはブライダルチェックで最も調べるべき最重要項目(絶対に外してはいけない検査)と考えています。(もし予算がなければ他のどの検査を省略してもかまいません。精液検査だけを外さないようにしていただければ・・)

精子がいなければ(無精子症)まずそのままでは絶対妊娠できませんし、男性の精液所見が悪かったとしてもその結果大きな負担を背負うのは必ず女性側になります(その後の生殖医療を考えると男女の負担の割合は明らかに女性にとって不利です)。少なくとも結婚する前にその事実を知って、二人で覚悟を決められればその後の人生にとってこれほど有意義なことはないでしょう。男性に明らかに原因があっても女性に負担を強いることになる以上は早い段階でその事実を知り、二人で乗り越える誓いを立てる・・・それこそがブライダルチェックの真の意義になるのかもしれません。

ブライダルチェックで数万円のメニューを組んでいるクリニックはよくありますが、その中に精液検査が抜け落ちているところは意外に多く、これほど残念でもったいないことはありません。ブライダルチェックは、生涯をともにすると決めた二人が一緒に受けてほしいです。予算がなければむしろ男性だけでも受けていただいた方がよいと思います。(ブライダルチェックはこれから人生を共に生きるパートナーを選んだ男性が覚悟を決めるための検査でもあります)

なので、ブライダルチェックはむしろ男性の方に受けていただきたい検査なのです。

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