卵子提供治療を検討されている患者様へ|クリニックブログ

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2022.08.28

不妊症

体外受精

治療

卵子提供治療を検討されている患者様へ

はじめに

卵子提供とは、何かしらの医学的原因等により母親になることを希望している女性が、自分自身の卵子(自己卵子)による妊娠の可能性がない、またはきわめて困難な場合に行う不妊治療の一つと位置付けられています。

一般的には、卵子を提供する卵子提供者(卵子ドナー)から卵子の提供を受けて、ご主人様の精子と体外受精を行なったあと、母親になることを希望している女性の子宮に受精卵を移植し、ご自身で妊娠・出産を経てお子様を授かることを想定した治療になります。

したがって、奥様の遺伝子は出生する子供には引き継がれませんが、ご主人の遺伝子は引き継がれることになります。(生まれたお子様は奥様との血のつながりはありませんが、ご主人との血のつながりを残すことができます)

 

卵子提供の日本国内での現状について

卵子提供による体外受精は、現在日本産科婦人科学会によって制限されています。この制限には法的拘束力はありませんが、通常国内の体外受精実施施設は日本産科婦人科学会へ加入をしているため、学会規則に様々な面で縛りを受けることになり、実質的には学会規則を順守する立場上、国内施設での卵子提供治療は行われていないというのが実情です。一方、日本国内のごく一部のクリニックでは、独自の倫理基準等を設けた上で、ごく限られた夫婦に対して実施しているとはされてはいますが、実際の治療までに倫理審査を数年かけて行うなど、基準をクリアするためのハードルは非常に高く、必ずしも子供を望む全ての夫婦の希望が叶うとは言い難い現状となっています。また、卵子ドナーの確保においては、日本産科婦人科学会が謝礼や金銭授受を厳しく制限している状況のため、現実的には卵子提供を受ける方の姉妹やごく親しい友人、もしくは無償提供を引き受けてくれるボランティアにお願いするしかなく、これらの条件を満たしたドナーを確保できる方は非常に限られてしまう状況です。よって、日本国内での卵子提供治療は現実的にはほぼ不可能に近いというのが実情です。

 

卵子提供の適応症について

卵子提供の医学的適応は次の通りです。

・加齢による卵巣機能低下、卵子の減少、卵子の質の低下(いわゆる卵子の老化)

・卵巣機能不全

・手術等による卵巣摘出(がん、子宮内膜症、卵巣捻転など)

・早発閉経

・自然閉経

・自己卵子による体外受精の複数回に及ぶ不成功

 

卵子提供提供治療の実際について

日本国内での卵子提供治療は現実的にほぼ不可能に近いという現状を踏まえ、これまでの多くの卵子提供治療は、ハワイ、台湾など海外の日本人患者を多く受け入れている施設などで、ドナーが採卵を受け、ドナーの採卵に合わせて、提供を受ける夫婦が海外渡航をして、現地のクリニックでドナーから採取した卵子および現地で採取した夫の精子を用いた体外受精を行い、さらに現地で胚移植を受けるというパターンが主流でした。

しかし、そのためには、最低でも2週間程度の予定で夫婦が現地の海外施設へ渡航する必要があり、そのための仕事の調整や治療以外の渡航にかかる費用の負担などもあり、必ずしも現実的なものではありませんでした。

また、コロナ禍により海外渡航そのものが難しくなっている現状を踏まえ、ここ最近出てきた方法が、提供を受ける夫婦は海外渡航をすることなく、日本国内のこれまで不妊治療を受けてきた施設で胚移植を行うというやり方です。

 

海外渡航を伴わない卵子提供治療の具体的な流れについて

海外渡航を必要としない卵子提供治療はおおむね以下のような流れで行います。

1, 事前に国内のクリニックで夫の精子を凍結保存する。

2, 凍結した精子を国内クリニックから海外クリニックへ輸送する

   (国内クリニック→海外クリニック)

3, 海外クリニックでドナーが採卵を行い、日本から輸送した夫の精子とドナーの

   卵子で体外受精を行い受精卵を確保し凍結保存を行う(海外クリニック)

4, 凍結保存された受精卵が海外クリニックから国内のこれまで不妊治療を受けていた施設へ輸送されてくる。

  (海外クリニック→国内クリニック)

5, 提供を受ける女性はこれまで通り国内のクリニックで胚移植を行う

     (国内クリニックで胚移植→妊娠判定までを行う)

この方式は、夫婦の海外渡航を必要とする方法と比べると、これまで通り通い慣れた国内クリニックで治療が継続できるというメリットがあります。海外渡航そのものば難しい昨今のコロナ禍では非常に有効かつ負担の少ない治療手段となり得るものと思われます。また、何よりドナーの採卵が海外で行われることから、治療の実施主体となる施設は海外施設であり、国内施設はあくまでもバックアップ施設という立ち位置で行われるということになります。

 

当院が提供する卵子提供治療およびバックアップ体制について

当院では、医学的理由により卵子提供治療を必要とされる多くの患者様のご要望にお応えするため、卵子提供治療を希望される患者様の日本国内におけるバックアップクリニックとして、必要なバックアップ治療を提供いたします。

具体的には、卵子提供治療に伴う必要な以下のサービスを提供いたします。

1,海外採卵施設への凍結精子の移送業務

2,海外採卵実施施設で凍結された受精卵の受け入れ

3,海外から移送された受精卵を用いた融解胚移植治療

4,融解胚移植後の妊娠判定および妊娠後のアフターフォロー

5,産科施設への紹介

また、海外渡航を必要としない卵子提供治療を受けるに当たっては、治療を受ける国内施設(当院等)と採卵を行う海外施設間の調整、ドナーの確保等をスムーズに行うための調整機関が必要であり、これらを一手に担っていただけるのが国内エージェント企業になります。

 

卵子提供治療を受けるために必要な国内エージェント企業について

卵子提供治療では、患者様ご夫婦(卵子の提供を受ける夫婦)、ドナー(卵子提供者)、海外治療施設(ドナーが採卵を受ける施設)、国内バックアップ施設の4者の調整役が必要であり、この部分をスムーズに行ってくれるのが国内エージェント企業です。当院で卵子提供治療を希望するご夫婦はまず、このエージェント企業の担当カウンセラーの面談を受けていただき、治療の開始に当たってはエージェント企業と個別に契約を結んでいただく必要があります。

当院では、卵子提供治療を希望されるご夫婦に、信頼と実績のある国内エージェント企業数社ご案内しております。患者様ご自身でまずは担当のカウンセラーと面談をしていただき、自身のご希望に沿うエージェント企業を選択いただく方式を取っています。

* 当院での卵子提供治療においてかかる費用は以下の内容になります。

・精子凍結にかかる費用(輸送費用は運送会社へ別途実費が発生)

・輸送されて戻ってきた受精卵の胚移植にかかる費用(融解、胚移植、投薬、検査)

・妊娠後のアフターフォローにかかる費用(投薬、検査、診察等)

・産科施設への紹介料(紹介状作成費用)

国内エージェント企業はあくまでも卵子提供を受ける患者様との間で直接の契約を行っていただいております。よって、エージェント企業と当院との間には一切の利害関係および提携関係はありません。そのため、エージェント企業からの謝礼や利益供与などの実際の治療以外に発生する費用等について、当院は一切の受け取りを行っておりません。どうぞご安心下さい。

 

卵子提供治療を検討されるご夫婦の皆さんへ

まずは当院へお気軽にご相談下さい。

国内エージェントのご案内も含めてトータルにサポートいたします。

(*国内エージェントについては、数社ご案内は致しますが、提携企業ではありませんので、最終的には患者様ご自身で納得のいくエージェントと個別契約を結んでいただく方式を採用しています。

〒389-0021 長野県佐久市長土呂1210-1

佐久平エンゼルクリニック

メールでのご相談も受け付けいたします。

info@sakudaira-angel-clinic.jp

https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/

 

以下のインターネット予約からも受診予約可能です。

(初めての方へを選んでいただいて、コメント欄に”卵子提供治療希望”とお書き下さい。)

https://sakudaira-angel.reserve.ne.jp/sp/index.php?

 

 

最後に・・・

当院は開院以来、これまで多くのお子さんを望まれるご夫婦のご希望を伺い、その願いを一つでも多く叶えるべく、真摯に向き合って参りました。治療によって願いを叶えるに至ったご夫婦もたくさんみて参りましたが、それでも残念ながらご希望を叶えることができなかったご夫婦にも出会ってきました。昨今の不妊原因の多くがいわゆる加齢に伴う不妊症とされており、現実的にはありとあらゆる治療を行い手を尽くしても、なかなか自己卵子でのお子さんを得ることが叶わないご夫婦もいらっしゃいます。これまで多くの不妊治療クリニックでは、日本産科婦人科学会の規定等の兼ね合いもあり、卵子提供治療についてはある種タブー視してきた風潮は否めませんが、実はこの治療は日本以外の諸外国では不妊治療の一つの選択肢としてごく普通に取り扱われている国もあります。子供を持つという選択肢についての倫理的背景や宗教的背景の違いもあることから、卵子提供治療の是非を一律に論じることは出来ません。当院では、昨今の多様性重視の社会的動きも考慮すると、お子さんを持つための選択肢も患者様ご夫婦ごとの思いに沿った多様な選択肢があるべきだと考えており、一律に卵子提供治療だけを禁じることについては違和感を感じるところであります。多種多様な選択肢の中から最終的には患者様ご夫婦が熟慮した上で選ばれる治療方法であるならば、その治療方法は最大限に尊重されるべきであると考え、卵子提供治療を敢えてタブー視せず、あくまでも通常の不妊治療の一つの選択肢として提示する方針としています。お子様を望まれるご夫婦の夢が一つでも多く叶えられますよう、当院は全力を尽くして治療にあたります。

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