Newsお知らせ

ZyMōtスパームセパレーターの導入

ZyMōtスパームセパレーターの導入

新しい精子調整方法について

採取された精液中には、運動良好精子の他に死滅精子や白血球等のいわゆる不純物が含まれています。当院ではこれまで運動良好精子を回収する方法として密度勾配遠心法やスイムアップ法を実施してきました。しかし、これらの方法では精子を回収するまでに時間がかかり、精液中に含まれる死滅精子や白血球に由来する活性酸素の影響によって精子DNAが断片化(DNAがちぎれること)や遠心処理による物理的な衝撃により精子DNAにダメージを与える懸念がありました。
この度当院では、遠心処理を行わずに、より質の高い精子を短時間で回収することが可能となった「ZyMōtスパームセパレーター」を導入しました。

ZyMot写真 (1)

Zymot スパームセパレーターによる最適な精子選択 図7

850μ作り

精子DNAの断片化について

ヒトのDNAは2本鎖で形成されていますが、紫外線、酸化ストレス、活性酸素などによって2本鎖の一部分あるいは全部が切断されてしまうことがあります。このような現象をDNAの断片化と呼びます。精子に起こるDNAの断片化は、精液中に含まれる死滅精子や白血球に起因する活性酸素に精子が長時間暴露されることも一因となります。

DNA修復機能について

ヒトの細胞の多くはDNAに起きた断片化等の異常を修復する機能を有していますが、残念ながら精子にはこの修復機能がありません。そのため精子で起きたDNAの断片化は受精後に卵子が持つDNA修復機能によって修復される必要があると考えられています。胚発育が不良な患者様や流産を繰り返す患者様では卵子のDNA修復機能が低下している可能性が報告されています。例えば高齢卵子では、精子に生じたDNA断片化を修復する機能が低下しているため妊娠しにくかったり流産を起こしやすかったりということが言われています。そのため体外受精を成功に導くためには精子DNAの断片化が起きていない質の高い精子を回収し媒精に用いることが重要であると考えられます。

「ZyMōtスパームセパレーター」のメリット

ZyMōtスパームセパレーターは遠心処理をすることなく短時間で運動している精子のみを回収するためのデバイスです。遠心処理を実施しないため精子への物理的なダメージをなくすことができます。また運動良好な精子をこれまでより短時間で回収できるため、精液中に含まれる白血球や活性酸素によって引き起こされる精子DNAの断片化を最小限に抑えることができます。これらのことにより、質の高い精子を効率よく回収することが期待できます

精子DNAの断片化と体外受精の成績との関係

精子DNAの断片化は、胚発生、胚の染色体の異数性(染色体の異常)、胚移植後の妊娠率、流産率に影響することが報告されています。精液中のDNA断片化率が高く、これまでの体外受精において不成功であった患者様では、ZyMōtスパームセパレーターで回収した精子はDNA断片化率が低くなることが報告されています。また、胚の異数性(染色体異常)の頻度が低下することや胚移植後の妊娠率、流産率が改善されたという報告があります。

グラフ1 グラフ2 グラフ3

精子調整時にZyMōtスパームセパレーターをご希望の方へ

体外受精をされる患者様へ、都度媒精方法の確認を行います。ZyMōtスパームセパレーターをご希望の患者様はデバイス使用料として、採卵1回あたり¥25,000(税別)を別途徴収いたします。(2020年11月現在。納入価格の変更等により価格については予告なく変更となる場合があります)。媒精方法についてはあらかじめお渡しする書面(同意書)で意思表示をお願いいたします。

 

PageTop