体外受精治療成績について(2014〜2017)|クリニックブログ

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2018.02.08

体外受精

当院の治療実績

体外受精治療成績について(2014〜2017)

2014年〜2017年の体外受精治療成績を集計いたしました。

(2017年の出産児数は出産報告未着分を含むため空欄となっています)

現在、当院の体外受精は卵巣刺激法の改良、工夫により1採卵あたりの獲得卵子数をなるべく増やす(1回の採卵で出来るだけ卵子を確保する)→凍結胚盤胞を出来るだけ確保する→胚盤胞移植件数を増やす→結果として1採卵あたり妊娠率の向上(出来るだけ初回の採卵での卒業を目指す)を目標に進めております。(2015年頃までは自然周期、クロミフェン周期が中心で、獲得卵子数が少なく、1患者あたりの採卵件数が増える→卒業までの期間が自ずと長くなる傾向にあり、卒業までの採卵回数が10回を超える方も多数おられました。)。卵巣機能が比較的保たれており、適切な卵巣刺激を加えればそれなりの獲得卵子数が見込める患者様については高刺激法(ロング法、アンタゴ二スト法)により出来るだけ初回の採卵で妊娠に繋がる良好胚をしっかり確保することを勧めています。その方が治療開始から卒業までのトータルの治療期間が短くなり、結果的にトータルコストも抑えられ、終わりの見えない不妊治療に悩む必要がなくなると考えているためです。また、第1子の治療にかける時間が短ければ短いほど、その後の第2子を考える余裕も生まれ、また第1子治療の際にそれなりの凍結胚が確保できれば、その後の第2子の治療では採卵を経ずに胚移植から治療に進めるというメリットもあります。体に負担がかかり、仕事との調整やスケジュールのやり繰りに悩む採卵はなるべく少ないに越したことはありません。高刺激法(ロング法、アンタゴ二スト法)で卵巣刺激を行った周期は、OHSSの予防と高エストロゲン環境下での着床障害を防ぐ目的で原則全胚凍結(オールフリーズ)としています。

しかし昨年ごろより、治療患者様の平均年齢の上昇もあり、治療開始時点で卵巣機能が悪い方(具体的にはAMH<1.0のような方)も多く見られるようになりました。このような患者様では従来の高刺激法を行っても卵巣刺激に見合う卵子獲得が見込めないことも多いです。(ロング、ショート、アンタゴ二ストを行なっても卵胞が1個しか育たなかった、その1個を穿刺してみたところ空胞だった、そのような泣きっ面に蜂状態の方もおられました・・・)そこで本年2018年はこれら従来の高刺激法で思うように卵子獲得が見込めない方に対して、フェマーラを使ったmild stimulationや自然周期を行うことで、体にかかる負担を抑えつつ、無理なくしかし出来るだけ確実に卵子獲得を狙う方法も選択出来るようにしています。(2015年まで中心としていた自然周期やmild stimulationにいわば原点回帰している状況です。上にも述べたように卵巣機能が良好で卵が取れる人は刺激をした方が絶対良いです。しかし、刺激をしても取れない方については、手詰まり状態の中で試行錯誤した結果、以前の方法が向いているのではないか、そのような結論に達したわけです。矛盾しているように思われるかもしれませんが、卵巣機能の悪い方では自然の状態ではなかなか良い卵胞が育ちにくい、しかしそんな状態でも自分の体が選んでくれたその周期に唯一育ってきた卵胞が実は一番最良の卵子を含んでいたりする。人間の体はうまく出来ています。要は卵巣機能の悪い方では、たまたま育ってきた唯一の卵胞を見逃すことなく確実に採卵する、そして確実な技術力で受精をさせ子宮に返す、これに尽きると言えます)フェマーラ刺激、自然周期のメリットは内膜が薄くならないため新鮮分割胚の移植に適する、エストロゲン上昇がなく子宮内の着床環境を悪化させない、などが考えられます。特に卵巣機能不良の高齢患者様では、胚盤胞培養を目指しても胚が外界のストレスに弱くなかなか胚盤胞まで成長しない、結果移植ができない、という傾向が多々あります。このような患者様では逆に胚盤胞に固執せず、新鮮胚の状態で出来るだけ早く子宮内に戻すことで胚へのストレスを極力回避することを目指します。

これまでの固定観念に捕らわれない、柔軟な発想、患者様ごとの状態に合わせた最適な卵巣刺激を如何に選択出来るかが体外受精の成否を左右すると考えています。

体外受精治療成績

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