お肌に良いだけじゃない・・ヒアルロン酸の効能|クリニックブログ
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2016.07.31
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お肌に良いだけじゃない・・ヒアルロン酸の効能
ヒアルロン酸とは??
ヒアルロン酸(ヒアルロナン)は、グリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種であり、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸 (GlcNAcβ1-4GlcAβ1-3) の二糖単位が連結した構造をしています。生体内では、関節、硝子体(眼球)、皮膚、脳など広く生体内の細胞外マトリックスとよばれる部分に見られます。また、保湿成分として化粧品などにも多く利用されています。(むしろ一般の方々にはお肌に良いとされるヒアルロン酸入り化粧水などの方が有名かもしれません)。ヒアルロンは一言でいうなら、糊のように粘性があってベタベタした性質を持っている物質です。(以下、ヒアルロン酸の構造)
ヒアルロン酸入り胚移植用培養液
さて、このヒアルロン酸を多く含んだ胚移植用の培養液が数社より市販されています。胚移植にヒアルロン酸入り培養液を用いると妊娠率が有意に高くなるという報告が多くの施設から出ており、当院でも胚移植時の移植用培養液として使用しています。ヒアルロン酸の糊のような性質が受精卵を物理的損傷から保護したり、子宮内膜との接着を促進するためと考えられています。(以下市販されているヒアルロン酸入り胚移植用培養液)
当院での取り組み
2015年1月以降、当院では凍結胚移植、新鮮胚移植の全例において、ヒアルロン酸入りの胚移植用培養液を使用しています。他施設からの報告でも、ヒアルロン酸入り培養液の有効性について多くの発表があり、当院でも検証を行い、その結果を昨年2015年の第33回日本受精着床学会において演題発表しました(以下演題抄録)。当院では現在までのところ、市販化されている2社の胚移植用培養液を使用しており、従来の培養液(ヒアルロン酸フリー=ヒアルロン酸を含まない)と比べて着床率や継続妊娠率に差が出るかどうか?などを検証しました。また、現在でもこの検証作業を継続しており、本年2016年の第34回日本受精着床学会でも追加報告として、演題発表する予定です。
お肌によいだけじゃない、卵にもよかったヒアルロン酸
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