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2026.09.25

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妊活と栄養|鉄・葉酸・ビタミンDと妊娠の関係|佐久平エンゼルクリニック

妊活と栄養の関係|食事を改善すると妊娠しやすくなる?

佐久平エンゼルクリニック 生殖医療科

「栄養を改善したら妊娠しやすくなる」と言われたら、あなたは信じますか?

妊娠を考えたとき、食事や栄養を見直すことは大切です。栄養不足を改善することは、ご自身の健康と、妊娠・出産に向けた体づくりにつながります。

ただし、特定の食品やサプリメントを摂れば妊娠できるわけではありません。 特定の食事法や栄養素の摂取によって自然妊娠率が高まるという根拠は、現時点では十分ではありません。栄養の見直しは、不妊症の検査や治療と並行して取り組むことが大切です。

 

妊娠に向けた体づくりに、なぜ栄養が大切なのでしょうか?

妊娠前から食事や生活習慣を整え、将来の妊娠に備える取り組みを「プレコンセプションケア」といいます。

妊娠中だけでなく、妊娠前から必要な栄養を確保することが大切です。例えば葉酸は、妊娠に気づく前から摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げることが知られています。

一方、妊娠には年齢、排卵の状態、卵管や子宮の状態、精子の状態など、さまざまな要因が関係します。妊娠に至らない理由を、食事や栄養だけで説明することはできません。

 

妊活中のタンパク質・脂質・炭水化物の摂り方

タンパク質は体の組織をつくる材料となり、脂質も細胞膜などの構成に必要です。炭水化物は、体を動かす大切なエネルギー源です。

妊活中は、タンパク質や脂質だけを増やすのではなく、主食・主菜・副菜をそろえ、食事全体のバランスを整えることを意識しましょう。

  • 主食: ごはん、パン、麺類など
  • 主菜: 魚、肉、卵、大豆製品など
  • 副菜: 野菜、きのこ、海藻など
  • 補いたい食品: 乳製品、果物など

極端な食事制限や、特定の食品に偏った食べ方は避けましょう。妊娠前から、無理なく続けられる食生活を整えることが基本です。

なお、「タンパク質や脂質を多く摂れば、卵子・精子の質が改善する」と一律に言い切ることはできません。

 

鉄不足と不妊症・不育症には関係がありますか?

鉄は、酸素を運ぶヘモグロビンや、体内のエネルギー代謝に関わる重要な栄養素です。鉄が不足すると、鉄欠乏性貧血や疲れやすさなどにつながることがあります。

鉄不足の評価には、血算に加えて、体内に蓄えられた鉄の目安となる「フェリチン」などが用いられます。必要な検査や治療は、症状や診察結果を踏まえて判断します。

ただし、「鉄不足があれば不妊になる」「鉄を補えば流産を防げる」と断定することはできません。 鉄不足が確認された場合は、その原因を調べ、適切に改善することが大切です。

また、不妊症と不育症は、単に「受精卵の成長が止まる時期が違うだけ」の同じ病態ではありません。妊娠に至らない場合と、流産・死産を繰り返す場合では、必要な評価や治療が異なります。

鉄剤や鉄サプリメントは、多く摂ればよいものではありません。自己判断で高用量を続けず、医師に相談しましょう。

 

葉酸は妊娠前から摂取しましょう

葉酸はビタミンB群の一つです。妊娠前から妊娠初期に十分な葉酸を摂取することは、二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスク低減に役立ちます。

妊娠を計画している方や妊娠の可能性がある方は、通常の食事に加えて、サプリメントや葉酸を強化した食品から1日400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。

妊娠してからではなく、少なくとも妊娠の1か月前から意識することが大切です。葉酸は「妊娠しやすくする薬」ではなく、赤ちゃんの発育を支えるために妊娠前から備える栄養素です。

 

ビタミンDを補うと妊娠しやすくなりますか?

ビタミンDの血中濃度と、不妊治療の成績との関連を示す研究があります。

ただし、「ビタミンDが十分な人で成績がよい」という関連と、「サプリメントを飲めば妊娠・出産率が上がる」という治療効果は別の問題です。 ビタミンDをすべての方に補充することで、不妊治療の成績が改善するとは言い切れません。

不足が疑われる場合は、食生活や健康状態を踏まえて、検査や補充の必要性を医師に相談しましょう。

 

栄養の改善と不妊治療は、並行して進めましょう

「まず栄養状態を完璧にしてから、不妊治療を始めよう」と考える必要はありません。

栄養の見直しは健康づくりに役立ちますが、卵管や排卵、精子などに関わる問題への検査・治療を置き換えるものではありません。女性の年齢などによっては、早めの評価が重要です。

佐久平エンゼルクリニック 生殖医療科では、妊娠と栄養の関係も大切にしながら、お一人おひとりの状況に合わせた不妊診療を考えています。

妊娠に至らないことを、ご自身の食生活のせいだと思い込む必要はありません。 食事の見直しと必要な検査・治療を、無理のない形で一緒に進めていきましょう。

 

妊活と栄養について、よくある質問

Q. 食事を改善するだけで自然妊娠できますか?

食事の改善は妊娠前の健康づくりに役立ちますが、それだけで妊娠できるとは限りません。不妊の原因によって必要な対応は異なるため、栄養の改善と検査・治療を並行して考えましょう。

Q. 妊娠しやすくなる食べ物はありますか?

特定の食品を食べることで妊娠できるという十分な根拠はありません。一つの食品に頼らず、主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本にしましょう。

Q. 妊活中は鉄サプリメントを飲むべきですか?

すべての方に必要なわけではありません。鉄不足が疑われる場合は、検査などで状態を確認し、補充の必要性を医師と相談することが大切です。

Q. 葉酸は妊娠してから飲み始めればよいですか?

赤ちゃんの神経管は妊娠のごく初期に形成されるため、妊娠前からの摂取が大切です。妊娠を計画した段階から、食事に加えて1日400μgの葉酸をサプリメントなどで補うことを意識しましょう。

Q. 栄養状態がよくなるまで、不妊治療を待った方がよいですか?

自己判断で治療を延期する必要はありません。年齢や検査結果を踏まえ、栄養の見直しと治療を並行して進めましょう。

 

長野県佐久市で、妊活・不妊治療のご相談なら

佐久平エンゼルクリニック 生殖医療科

妊活中の食事や栄養が気になる方、不妊治療を始めるか迷っている方は、お気軽にご相談ください。

妊娠を目指すための検査・治療と、妊娠前からの健康づくりを一緒に考えていきましょう。

参考資料

  • 米国生殖医学会(ASRM)「Optimizing natural fertility: a committee opinion」
  • 米国生殖医学会(ASRM)「Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion」
  • 国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
  • 米国疾病予防管理センター(CDC)「Planning for Pregnancy」
  • 米国国立衛生研究所(NIH)「Iron — Health Professional Fact Sheet」
  • 欧州生殖医学会(ESHRE)「Recurrent pregnancy loss」

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