早発閉経でお子さんを希望される方へ|クリニックブログ

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2022.08.21

不妊症

体外受精

治療

早発閉経でお子さんを希望される方へ

はじめに

早発閉経とは、40歳未満で閉経に至ることをいいます。日本人女性の平均的な閉経年齢はおよそ50歳前後であるため、早発閉経の人は平均的な方よりも約10年早く月経が終了することとなります。

早発閉経の医学的な問題は、不妊症以外にも、女性医学的な観点からも、骨粗しょう症、心血管系イベント(脳梗塞、心筋梗塞のリスク上昇など)があります。

また、通常よりも10歳程度早く卵巣機能が廃絶し、エストロゲン(女性ホルモン)が分泌しなくなるため、腟萎縮、腟乾燥、膣のにおい、など、デリケートゾーン周りの様々な不快症状に悩まされる方も多く、女性のQOL低下につながる重要な疾患と位置付けられています。

 

早発閉経の原因

抗DNA抗体や抗SSA抗体などの自己抗体が関与しているとの説があり、特に30歳以下で早発閉経を発症した場合には何らかの自己抗体を持つという意見があります。また、ターナー症候群などの染色体異常、その他子宮内膜症の手術等で卵巣を切除したり、卵巣を傷つけたりした場合に起こる医原性、また原因がこれと言ってはっきり分からない特発性のものもあります。また、タバコ(特に若年からのヘビースモーカーの方)、抗がん剤、化学物質など外的な要因が関係する場合もあります。

 

早発閉経でお子さんを希望される場合の対応

残念ながら、すでに早発閉経を発症してしまった場合には自己卵子で妊娠する方法は現在の医学では有効な手段がなく、唯一妊娠可能な方法は卵子提供を受ける以外に方法がありません。早発閉経の方が卵子提供を受ける場合、すでに卵巣機能が廃絶して月経が停止しているケースも多く、このような方では子宮萎縮を防ぐため、ホルモン補充療法を行いながら、卵子提供を受ける時期になるまでの子宮のコンディション調整を行うことが推奨されます。

 

以下、早発閉経の患者様が卵子提供治療を希望された場合の流れについて記載いたします。

 

卵子提供治療の実際について

日本国内での卵子提供治療は現実的にほぼ不可能に近いという現状を踏まえ、これまでの多くの卵子提供治療は、ハワイなど海外の日本人患者を多く受け入れている施設などで、ドナーが採卵を受け、ドナーの採卵に合わせて、提供を受ける夫婦が海外渡航をして、現地のクリニックでドナーから採取した卵子および現地で採取した夫の精子を用いた体外受精を行い、さらに現地で胚移植を受けるというパターンが主流でした。

しかし、そのためには、最低でも2週間程度の予定で夫婦が現地の海外施設へ渡航する必要があり、そのための仕事の調整や治療以外の渡航にかかる費用の負担などもあり、必ずしも現実的なものではありませんでした。

また、コロナ禍により昨今、海外渡航そのものが難しくなっている現状を踏まえ、ここ最近出てきた方法が、提供を受ける夫婦は海外渡航をすることなく、日本国内のこれまで不妊治療を受けてきた施設でバックアップ診療として卵子提供治療の一部を受けるというやり方です。

 

海外渡航を伴わない卵子提供治療の具体的な流れについて

海外渡航を必要としない卵子提供治療はおおむね以下のような流れで行われます。

 

1, 事前に国内のクリニックで夫の精子を凍結保存する。

2, 凍結した精子を国内クリニックから海外クリニックへ輸送する 

(国内クリニック→海外クリニック)

3, 海外クリニックでドナーが採卵を行い、日本から輸送した夫の精子とドナーの卵子で体外受精を行い受精卵を確保し凍結保存を行う(海外クリニック)

4, 凍結保存された受精卵が海外クリニックから国内のこれまで不妊治療を受けていた施設へ輸送されてくる。

(海外クリニック→国内クリニック)

5, 提供を受ける女性はこれまで通り国内のクリニックで胚移植を行う

 (国内クリニックで胚移植→妊娠判定までを行う)

 

この方式は、夫婦の海外渡航を必要とせず、これまで通り通い慣れた国内クリニックでバックアップ診療という形ではありますが、治療が継続できるというメリットがあります。海外渡航そのものが難しい昨今のコロナ禍では非常に有効かつ負担の少ない治療手段となり得るものと思われます。また、法的な規制はないものの、現実的には日本産科婦人科学会の規定等により国内でのドナーの採卵が制限されている現状においては、真に卵子提供治療を必要とする患者様(早発閉経の方など)が唯一治療を受けられる可能性があり得る点では、ぎりぎりの現実的な対応ではないかと思われます。

 

当院が提供する卵子提供治療およびバックアップ体制について

当院では、早発閉経など医学的理由により卵子提供治療を必要とされる多くの患者様のご要望にお応えするため、卵子提供治療を希望される患者様の日本国内におけるバックアップクリニックとして、必要なバックアップ治療を行う体制を提供しています。具体的にはドナーが採卵を行う海外施設の指示などをもとに、必要な投薬治療や妊娠判定、または妊娠成立後のアフターフォローなどを提供しています。また、国内での胚移植を希望される患者様に対しては、海外から移送された受精卵の受け入れ、以後の胚移植については患者様の希望を優先してケースバイケースで対応いたします。

 

当院では具体的に、卵子提供治療に伴う必要な以下のサービス(バックアップ診療)を提供いたします。

1,海外採卵施設への凍結精子の輸送

2,海外採卵実施施設で凍結された受精卵の受け入れ

3,海外から移送された受精卵を用いた融解胚移植

4,融解胚移植後の妊娠判定および妊娠後のアフターフォロー

5,産科施設への紹介

 

また、海外渡航を必要としない卵子提供治療を受けるに当たっては、治療を受ける国内施設(当院等)と採卵を行う海外施設間の調整、ドナーの確保等をスムーズに行うための調整機関が必要であり、これらを一手に担っていただけるのが国内エージェント企業になります。

 

卵子提供治療を受けるために必要な国内エージェント企業について

卵子提供治療では、患者様ご夫婦(卵子の提供を受ける夫婦)、ドナー(卵子提供者)、海外治療施設(ドナーが採卵を受ける施設)、国内バックアップ施設の4者の調整役が必要であり、この部分をスムーズに行ってくれるのが国内エージェント企業です。当院で卵子提供治療を希望するご夫婦はまず、このエージェント企業と面談およびカウンセリングを受け、治療の開始に当たっては個別に契約を結んでいただく必要があります。

 

当院では、卵子提供治療を希望されるご夫婦に、信頼と実績のある国内エージェント企業を数社ご案内しております。患者様ご自身でまずは担当のカウンセラーと面談をいただき、自身のご希望に沿うエージェント企業を選択いただく方式を取っています。

 

*当院での卵子提供治療においてかかる費用は以下の内容になります。

・精子凍結にかかる費用(輸送費用は運送会社へ別途実費が発生)

・輸送されて戻ってきた受精卵の胚移植にかかる費用(融解、胚移植、投薬、検査)

・妊娠後のアフターフォローにかかる費用(投薬、検査、診察等)

・産科施設への紹介料(紹介状作成費用)

*エージェントに支払う費用は各エージェントごとに個別に別途請求されます。

 

国内エージェント企業はあくまでも卵子提供を受ける患者様との間で直接の契約を 行っていただいており、エージェント企業と当院との間には一切の利害関係はありません。よって、エージェント企業からの謝礼や利益供与などの実際の治療以外に発生する費用等について、当院は一切の受け取りを行っておりませんのでどうぞご安心下さい。

 

早発閉経と診断された後、卵子提供治療を検討されるご夫婦の皆さんへ

まずは当院へお気軽にご相談下さい。

国内エージェントのご案内も含めて、凍結精子の海外施設への移送、海外で作成した受精卵の受け入れ、その後の胚移植から妊娠期のフォローまで、トータルにサポートいたします。

 

〒389-0021 長野県佐久市長土呂1210-1

佐久平エンゼルクリニック

https://www.sakudaira-angel-clinic.jp/

 

メールでのご相談も受け付けいたします。

info@sakudaira-angel-clinic.jp

 

以下のインターネット予約からも受診予約可能です。

(初めての方へを選んでいただいて、コメント欄に”早発閉経、卵子提供治療希望”とお書き下さい。)

https://sakudaira-angel.reserve.ne.jp/sp/index.php?

 

最後に・・・

当院は開院以来、これまで多くのお子さんを望まれるご夫婦のご希望を伺い、その願いを一つでも多く叶えるべく、真摯に向き合って参りました。治療によって願いを叶えるに至ったご夫婦もたくさんみて参りましたが、それでも残念ながらご希望を叶えることができなかったご夫婦にも出会ってきました。

特に、早発閉経と診断された方、またはすでに早発閉経を発症して時間が経過されている患者様に対しては現状では、既存の不妊治療では残念ながらお子さんを望むことはできません。(これは海外の文献等では、完成された早発閉経に対する唯一の治療は提供卵子による体外受精であると規定されていることからも明白です)

これまで多くの不妊治療クリニックでは、日本産科婦人科学会の規定等の兼ね合いもあり、卵子提供治療についてはある種タブー視してきた風潮は否めませんが、実はこの治療は日本以外の諸外国では不妊治療の一つの選択肢としてごく普通に取り扱われている国もあります。子供を持つという選択肢や考え方については、各国ごとの倫理感や宗教感の違いもあることから、卵子提供治療の是非を一律に論じることは出来ません。

当院では、昨今の多様性重視の社会的状況も考慮すると、お子さんを持つための選択肢は患者様ご夫婦ごとの思いに沿った多様な選択肢があるべきだと考えており、一律に卵子提供治療だけを禁じることについては違和感を感じるところであります。

多種多様な選択肢の中から最終的には患者様ご夫婦が熟慮した上で選ばれる治療方法であるならば、その治療方法は最大限に尊重されるべきであると考え、卵子提供治療を敢えてタブー視せず、あくまでも通常の不妊治療の一つの選択肢として提示する方針としています。お子様を望まれるご夫婦の夢が一つでも多く叶えられますよう、当院は全力を尽くして治療にあたります。

 

佐久平エンゼルクリニック