男性にもHPVワクチンを|肛門がん・中咽頭がんと感染予防を解説 佐久平エンゼルクリニック 婦人科/性感染症内科|クリニックブログ
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2026.10.31
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男性にもHPVワクチンを|肛門がん・中咽頭がんと感染予防を解説 佐久平エンゼルクリニック 婦人科/性感染症内科
HPVワクチンは、男性にとっても大切な感染症予防の選択肢です。HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんだけでなく、男性の肛門がんや中咽頭がん、陰茎がん、尖圭コンジローマにも関係します。
日本では、9価HPVワクチン「シルガード®9」を9歳以上の男性も接種できます。ワクチンで対象のHPV型への新たな感染を予防することが、将来のHPV関連疾患への備えにつながります。[1–3]
男性のHPV感染とは?症状がなくても感染することがあります
HPVは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、性交渉やオーラルセックスなどの接触を通じて感染します。感染しても自覚症状がないことが多く、多くは免疫の働きで排除されますが、一部では感染が持続し、がんなどの病気の原因になります。
「症状がないから感染していない」とは限りません。症状が出てからの治療に加え、感染する前の予防を考えることが大切です。[3,4]
男性のHPVワクチンで予防できる病気は?
肛門がん・肛門の前がん病変
シルガード®9は、日本で男性の肛門がん(扁平上皮がん)と、その前がん病変である肛門上皮内腫瘍の予防が承認されています。対象は、ワクチンに含まれるHPV型の感染に起因する病気です。
すべての肛門がんを防ぐわけではなく、扁平上皮がん以外の肛門がんに対する予防効果は確認されていません。[1]
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、性器や肛門の周囲などにいぼができる性感染症です。シルガード®9は、主な原因となるHPV6型・11型を含み、男性の尖圭コンジローマの予防にも承認されています。すでにできているいぼを治療するワクチンではありません。[1,2]
咽頭がんとの関係:特に「中咽頭がん」が重要です
のどのがんのうち、HPVとの関連がよく知られているのが、扁桃や舌の付け根などに発生する中咽頭がんです。咽頭がんすべてがHPVによって起こるわけではありません。
HPVワクチンは、中咽頭がんの原因となるHPV型への感染を予防するため、中咽頭がんの予防につながる可能性があります。ただし、日本ではシルガード®9の承認された効能に中咽頭がんの予防は含まれていません。「咽頭がんを確実に防げる」とは説明できず、肛門がんの承認された予防効果とは区別して考える必要があります。[1,4]
男性は何歳から接種できる?大人になってからでも意味はある?
シルガード®9は、9歳以上の男性が接種対象です。HPVに感染する前、特に性交渉を経験する前の接種で、より高い予防効果が期待できます。
性交渉の経験があっても、ワクチンが対象とするすべてのHPV型に感染しているとは限らないため、未感染の型への感染予防が期待できる場合があります。成人では、年齢、接種歴、今後の新たな感染の可能性などを踏まえ、接種のメリットを医師と相談しましょう。[1,5]
シルガード®9の接種回数・スケジュール
| 初回接種時の年齢 | 接種回数 | 標準的な間隔 |
|---|---|---|
| 9歳以上15歳未満 | 2回接種が可能 | 初回、初回から6~12か月後 |
| 15歳以上 | 3回 | 初回、初回から2か月後、6か月後 |
2回接種で、初回から2回目までの間隔が5か月未満になった場合は、3回目の接種が必要です。持病や過去の接種歴も確認し、実際の日程は医師と相談して決めます。[6]
副反応と接種後の注意点
接種部位の痛み・腫れ・赤み、頭痛、発熱、疲労などがみられることがあります。重大な副反応として、頻度不明ですがアナフィラキシーなども添付文書に記載されています。
注射に伴う失神による転倒を防ぐため、接種後は30分程度、座って安静に過ごしましょう。息苦しさや全身のじんましんなどが出た場合は、直ちに医療機関に連絡してください。明らかな発熱がある方、過去にワクチンの成分で強いアレルギー反応があった方などは、接種前に医師へお伝えください。[1]
男性のHPVワクチンは保険適用?費用助成はある?
男性のHPVワクチン接種は、国の定期接種の対象には含まれず、原則として自費の任意接種です。自治体によっては男性への接種費用助成がありますが、対象年齢やワクチンの種類、指定医療機関などの条件が異なります。接種前にお住まいの自治体へ確認してください。[3,7]
当院での接種費用、取り扱いワクチン、予約方法については、お問い合わせください。
男性のHPVワクチンによくある質問
Q. HPVワクチンは女性だけが受けるものですか?
いいえ。日本ではシルガード®9を9歳以上の男性も接種できます。男性自身の肛門がんや尖圭コンジローマの予防にも役立ちます。[1,2]
Q. HPVに感染したことがあっても接種できますか?
接種を検討できる場合があります。ただし、すでに成立している感染を排除したり、病変を治療したりする効果はありません。未感染のワクチン対象型への予防が目的です。[1,5]
Q. ワクチンを接種すれば性感染症対策は不要ですか?
いいえ。対象外のHPV型や、梅毒・淋菌・クラミジアなどの感染症は防げません。コンドームなどの予防策も大切ですが、皮膚や粘膜の接触で感染するHPVを完全に防ぐことはできません。[1,5]
Q. 男性が接種することでパートナーにもメリットはありますか?
男性自身の感染を予防することは、パートナーへの感染機会を減らすことにもつながると考えられます。ただし感染を完全に防ぐ保証はありません。パートナー自身のワクチン接種や、対象となる方の子宮頸がん検診も大切です。[1,7]
佐久平で男性のHPVワクチン接種をご検討の方へ
HPV対策は、男性にとっても将来の健康を守るための予防医療です。「自分の年齢で接種するメリットはある?」「息子に接種を受けさせたい」など、疑問をお持ちの方は、佐久平エンゼルクリニック 婦人科/性感染症内科へご相談ください。
参考資料
- PMDA「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ 電子添文(2026年2月改訂)」 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/170050_631341CG1023_1_10
- MSD「9価HPVワクチンの肛門がん予防の適応追加・男性への接種対象拡大」(2025年8月25日) https://www.msd.co.jp/news/product-news-20250825/
- 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
- CDC “HPV and Oropharyngeal Cancer” https://www.cdc.gov/cancer/hpv/oropharyngeal-cancer.html
- NCI “Human Papillomavirus (HPV) Vaccines” https://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk/infectious-agents/hpv-vaccine-fact-sheet
- MSD Connect「シルガード9の用法及び用量」 https://www.msdconnect.jp/products/gardasil-silgard9/info/silgard9-usage/
- 台東区「男性向けHPVワクチン任意接種費助成」(佐久市の助成を示す資料ではありません) https://www.city.taito.lg.jp/kosodatekyouiku/kosodate/mokutei/kenkou_iryou/yobousesshu/ninni/mensHPV.html

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