永遠のテーマ男女の産み分けに関する話題|クリニックブログ

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2017.10.01

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永遠のテーマ男女の産み分けに関する話題

自然界における出生児の男女比率

自然な状態では男女の出生比率は男児:女児=105:100程度と言われており、生まれてくる赤ちゃんの性別はごくわずかですが男の子の方が多いと言われています。これは時代、地域、に関係なく共通してみられる現象と言われており、また、人以外の他の哺乳動物でもオスが多く生まれるという現象が観察されるようです。(理由はよく分かっていませんが、オスは縄張り争いやヒトの場合は政争等でメスに比べてストレスが多く、また戦いに敗れて命を落とす可能性も高いため、自然界ではオスが少しばかり多く生まれることで、均衡を取っているのではないか?などの説がありますが、正確なところは分かっていません)

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人工授精の場合 パーコール法について

人工授精(AIH)による妊娠の場合でも、自然の場合とほぼ同様に男児の方がごくわずか多く生まれると言われています。(人工授精は理論的には子宮頸管の部分をバイパスするだけなので、中に入る精子は結局のところ一緒であるから、自然とほぼ結果は同じということが言えます) 唯一例外として、パーコール法を用いた人工授精では、産み分けが可能になるという説もあります。パーコール法とは男児の元になるY染色体を持つ精子と、女児の元になるX染色体を持つ精子を遠心分離によって分ける方法です。遠心分離後、下の方に沈殿した精子を用いることで女児になる可能性がやや高まる言われています。これは、下の方に沈殿する精子は質量が重いということが言えますが、X染色体の方がY染色体より染色体が大きいため、質量が重く、下層に沈殿すると考えられています。よって、分離後の下層に沈んだ精子を選択的に人工授精することで、女児が生まれる可能性が高まるという理論です。ただし、遠心分離でXY染色体を100%完全に分離することはできないので100%の確率で産み分けできる訳ではありません。成功率はおよそ60〜70%程度という意見があります。(自然の場合よりも多少傾く程度)

ART(生殖補助医療)の場合

ART(生殖補助医療)では、自然の場合と異なり、出生児の性比に若干の影響を与えるといわれています。一般的にはICSI由来の卵は女児になることが多いとされ、胚盤胞移植では男児になる割合が高いと言われています。ICSIで女児が多い理由として、ICSIの際の精子選別の際に、X染色体が選ばれやすいという説があります。ICSIの適応は男性因子なので、自ずとY染色体を持つ精子が運動性不良なのではないか?などの意見があります。よって胚培養士がX染色体を有意に選ぶ傾向にあるなど、様々な説がありますが、はっきりしたことは分かっていません。また、胚盤胞移植で男児が多い理由ですが、まず一般的に発育の早い胚は男の子になる傾向が高いということが分かっています。その理由ははっきり分かっているものではありませんが、X染色体が受精卵の発育の抑制に関係する、女児胚ではそれが2つあるのでXYの男児胚よりも発育がおそくなるとか、Y染色体自体になんらかの増殖因子がコードされているためとか、様々な議論がなされていますが、はっきりしたことは分かっていません。何れにしても、ART(生殖補助医療)に関しては以下のようなことがわかっています。

出生児の男女比率で男の子が多いのは、
胚盤胞移植>分割期胚移植
体外受精>顕微受精
新鮮胚移植>凍結胚移植
発育の早い胚>発育の遅い胚

のようになっています。胚盤胞移植の場合は、自ずと移植胚として選択する胚は発育の早い胚を選ぶ傾向にありますので、男児が多くなるという理屈です。凍結胚移植で女児が多くなる(男児が少ない)のは、Y染色体が凍結操作に弱いため?などの意見もありますが推測の域を出ません。

産み分けについて、100%の正確性を要求するなら、PGS(着床前検査)を行い、胚の核型を調べてその性別に対応する胚を移植すれば良いわけですが、もちろんそういうことは一般に認められていません。現段階では正確性の高い産み分け法というものは存在しないということになります。

創世記第6日目のアダムとイブの創造は神のなせる業でした。子は授かりものですので、男の子であっても女の子であっても、たっぷりの愛情を注いで育ててあげて下さい。

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